協議離婚無効確認調停
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離婚について合意しないまま離婚届が出され、離婚が成立してしまっている場合、その離婚届が虚偽であろうとなかろうと、戸籍上は離婚になってしまいます。
仮に離婚が無効であることをお互いに認めていても、離婚届というのは取り下げることができません。
したがって元の婚姻状態に戻すには、婚姻届を出して再婚すれば可能ですが、合意のない離婚届が提出されている状況下で、再婚して復縁することは現実的ではないでしょう。
このように戸籍上に記載されてしまった離婚に対して、無効であることを主張するために、協議離婚無効確認調停があります。
協議離婚無効確認調停での特徴的な添付書面が2つあります。
1つは戸籍謄本で、他の調停でも戸籍謄本を用意することは多いですが、離婚届が出てしまっている以上は、あなたと妻の戸籍は別々になっています。
そのため、両方の戸籍謄本が必要になり、なおかつ元夫が元妻の戸籍謄本を取ることには多くの場合制限があります。
戸籍というのは戸籍に記載されている当人と配偶者、直系尊属(親や祖父母)、直系卑属(子や孫)でなければ取れません。
婚姻時にあなたが戸籍筆頭者であった場合、元妻は離婚届によって既に別の戸籍に移り、あなたの戸籍謄本には除籍者として記載されています。
この状況では、元妻の現在の戸籍に記載がないあなたは、元妻の戸籍謄本を取れないことになります。
逆に元妻は、あなたの戸籍に除籍者として記載があるため、あなたの戸籍謄本を取ることができます。
しかし、こうなると添付書面が不足してしまうことから、法務省民事局では、家庭裁判所に調停の添付資料として提出するためであることを示せば、第三者(あなた)であっても戸籍謄本を請求できるとしています。
役所において、この理由で戸籍謄本を得られないことは少ないかと思いますが、もし難しいなら、協議離婚無効確認調停を申し立てる家庭裁判所に相談してみましょう。
もう1つは、離婚届の届書記載事項証明書という聞き慣れない書類が必要になる点です。
届書記載事項証明書というのは非公開の書類で、特別な理由がなければ請求することができません。
また、戸籍に関する届出は、一定の期間(数週間から1年程度と幅広い)なら役所で保管しますが、期間を過ぎると法務局に移されるため、本籍地の法務局で発行を受ける場合もあります。
役所と法務局のいずれに請求する場合であっても、協議離婚無効確認調停で必要であることを説明すれば問題ありません。