親権は誰のため
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民法では、親権が「子の利益のため」であることを、はっきりと規定しています。
では、親は親権を、子供の利益を考えた上で、争っているでしょうか?
暴力的な親から子供を保護するためなど、明らかに子供の不利益になる理由がある場合を除き、残念ながら、親に親権の争いがあるケースでは、親の利益を争っているとしか言えないでしょう。
早い話が、親は子供と暮らしたいから親権を争うのであり、親として子供に関わりたいという気持ちで親権を争います。
たとえ離婚をしても、再婚をしても、親であることは何も変わりません。
それなのに、親権を争った結果、親権者になれなかった側は、子供を失うかのような失望感に襲われ、実際に子供に会えないことも多くあります。
このような状況は、親が自分のために親権を考えていることの裏返しです。
なぜ失望感に襲われるかは明白で、子供と暮らせないだけではなく、子供に会うという当然の権利を、親権者によって阻害されるからです。
更には、一度決まった親権者を、後から変更するのは容易ではなく、特段の事情が無ければ認められません。
そして、離婚で争い親権でも争うような関係の元夫婦は、子供が別れた配偶者に会うことを望まないでしょう。
離れた親子が会うことは当然の権利ですが、子供の利益を超えて、親権者の心情が垣間見えるのが実態です。
離婚後においても、親権によって元夫婦間の争いは続いているのです。