離婚調停委員とは

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多くの人が勘違いをしていますが、調停委員は裁判所職員ではあっても、40歳~69歳までの民間人から選出されます。
公募による選出ではなく、自薦や他薦で、調停委員からの推薦を受けて登用されるケースが多く見られます。
調停委員の経歴は様々で、弁護士のような法律が専門の人はもちろん、特定分野に詳しいある人、その他の有識者などです。

調停には民事と家事がありますが、特に離婚を扱う家事調停は知識だけで務まるものではなく、当事者の心情に配慮し、調整する機能の実現のために、社会的な経験が求めらるという特徴を持っています。
そのため、家事調停の調停委員には、社会活動の実績が豊富な人、地域の顔役や相談役として知られている人など、対人関係において優れた資質を持っていることも選出の際に考慮されます。

ただし、調停委員に選出されるまでの実績において、法律を学んでいるかというとそうとは限りません。
調停委員には研修もあり、裁判所職員として働くためには当然ながら法律の勉強は不可欠ですが、素人である場合が多いのです。

それでも、当事者に近い立場である調停委員の存在は、法律を前提に物事を考えがちな法曹界の人間よりは話がしやすく、民間から選出される仕組みになっています。
また、調停委員と共に調停委員会を組織する家事審判官という裁判官がいるので、法律的な問題が起こることはありません。

なお、裁判所という国の機関で働く以上、高給であるイメージがありますが、非常勤の調停委員に払われる日当は決して多くはなく、1万円にも満たない額(件数による)です。
したがって、調停委員を仕事にすることは考えにくく、現役をリタイヤした男性や、子育ての終わった女性が多くなる傾向はあります。