調停の不成立と取下げの違いは?

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調停の不成立と取下げの違いは?

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調停には、話し合いがどうしても進まずに、それ以上調停期日を重ねても、進展がみられないと思われる場合の不成立と、申立人がいつでも行える取下げがあります。
どちらも話し合いが進まないときに起こり、どちらによっても調停は終了しますが、この2つには大きな違いが存在します。

不成立というのは、調停が行われて解決しなかったということを表しますので、調停不成立によって審判へ移行、または訴訟を提起できる要件になります。
一方で、取下げというのは、不成立と違って調停自体が無かったとして扱われるため、取下げによって審判へ移行したり、訴訟を提起できる要件になったりはしません。

家庭裁判所は、調停を行える家事事件について、訴えの提起が先にあった場合は、法律上、調停を行わせる必要があります。
取下げでは、調停の申立てもされなかったという扱いなので、再度調停から始めるのが原則です。
しかし、該当の条文にはただし書きがあって、裁判所が相当ではないと認めれば、調停を行わせなくても良いとされています。

このことから、取下げが訴訟提起の要件にならないといっても、調停不成立証明書が無いために訴訟を提起できないのではありません。
裁判の前に、話し合いでの解決を促す調停前置主義から、取下げでは話し合いが十分であったか判断できないからです。

何度調停を申し立てても、話し合えずに取り下げるしかなかったり、不成立を待つまでもなく主張が正反対で取り下げたりなど、調停では進展しない状況があり、それを説明できれば訴えの提起は可能です。
もっとも、そのような場合は、調停を取り下げるのではなく、不成立にしたほうが確実に裁判に移行できるでしょう。
調停を不成立にして、調停不成立証明書を発行してもらえば、それ以上の話し合いは無意味であることが明白だからです。