合意分割

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合意分割は、婚姻期間中の納付記録(標準報酬)を、合意によって分割する方法で、その割合は按分(あんぶん)割合と呼ばれます。

合意分割では、夫婦の納付記録を、協議または家庭裁判所によって定められた按分割合で分割することが前提で、按分割合で示される値は、分割によって増える側の割合を示します。
例えば、按分割合が0.4で、夫から妻へ分割される場合には、夫が0.6、妻が0.4の割合で分割されるということです。

按分割合の上限は0.5(50%)で、下限は分割される前における、受け取る側の標準報酬の夫婦合計額に対する比率になります。
それだけ聞いても少し難しいので、例を考えてみましょう。

例えば、分割される前の標準報酬が、夫は4,000万円、妻が1,000万円なら、夫のほうが多いため標準報酬は妻に分割されます。

夫婦の標準報酬合計額は、4,000万円+1,000万円=5,000万円になり、分割前の妻の標準報酬比率は、5,000万円に対する1,000万円なので0.2です。
この0.2が下限になり、0.2~0.5という按分割合の範囲で、夫婦により協議されます。

なぜ下限が定められているかというと、下限を下回る割合で分割することは、少ない側がさらに少なくなる分割になってしまうからで、多い側が少ない側に分割するという制度上、逆は認められないようになっています。
前述の例では、按分割合を0.4と定めた場合、夫の標準報酬は3,000万円に、妻の標準報酬は2,000万円に改定されます。

ちなみに按分割合については、夫婦の合意があれば下限から上限の範囲で決められますが、家庭裁判所での調停、審判、裁判では特別な事情がなければ0.5が適用されています。
つまり、あなたが分割する側である場合、0.5よりも小さい按分割合なら、争わずに合意したほうが得で、0.5で争っても結局無駄に近いということになります。

なお、3号分割によって、対象期間における標準報酬が2分の1(按分割合0.5)で強制的に分割された場合であっても、先に3号分割をしてからそれぞれの標準報酬を再計算し、トータルで合意分割の按分割合になるように分割されます。